Q: 東京からNYへ戻るきっかけとなったのは、どんな出来事だったのでしょうか。
NYキャリアアカデミー代表の大澤から、「アメリカでキャリア支援の仕事をしないか?」と声を掛けてもらったのがきっかけです。大好きなNYでまた仕事ができるということで、ふたたびアメリカで働くことを決めました。 自分自身も留学していた経験から就職活動の大変さを知っているので、少しでも力になれれば、と思いました。
そしてNYで今の主人と出会い、結婚することになり、その後まもなく妊娠もわかりました。もともとは日本に戻る予定でしたが、結婚を機にアメリカに残ることになったんです。永住権など移住関係の手続き、出産などを経て、2016年の夏から本格的にワーキングマザーとして働き始めました。
Q: 現在ではふたりのお子さんのお母さんな中村さんですが、ワーキングマザーとして働くことの大変さ、逆に楽しさや面白さはどんなところですか。
子供に負担をかけずに仕事をすることが大変ですね。例えば子供が病気になったとき、仕事とどのように折り合いをつけるか難しいときがあります。物事の優先順位をつけて、効率的に動かないといけません。母親はひとりしかいませんから、どんなときでも子どもが頼れる存在じゃないといけません。
働くことでさらに私生活に「メリハリ」がでて、1日1日を大切に過ごせることが、働くことの利点だと感じています。公私ともに誰かに必要とされるのはとても幸せなことだと感じます。
Q: ワーキングマザーとして子育てをする上で、中村さんご自身で決めたルールはありますか?またご主人と決めたことはありますか。
夫婦でコミュニケーションを密に取ること、スケジュール管理を徹底することはとても大事にしています。お互いに出張が多い仕事をしているので、どの日に何があるかをクリアにし、しっかりと共有します。
このふたつができていないと、子どもに負担をかけ、夫婦の中でスケジュールが合わないといった問題が起こるんです。以前、同じ日程で出張が入っていたなんてこともありました。となると、どちらかが仕事を調整して家のことをしないといけなくなるので、お互いの仕事にも影響が出てくるのです。
家族や友人の助けを借り、コミュニケーションをしっかり取ることでスケジュール管理を徹底させることは、ワーキングマザーとしてとても重要なことだと思っています。
Q: NYキャリアアカデミーというキャリア支援の会社で働くことの醍醐味は?
自分らしく働くことができることです。裁量で任せていただける部分も多く、とても楽しいです! また一緒に働く仲間の多くが私と同じワーキングマザーであることも心強いです。刺激をもらえて、大変さも分かち合え、お互いのことをよく理解しあえる環境があるのは、ありがたいものです。
上司が男性だと、子どもがいることで大変なことをなかなか理解してもらえないとよく聞きます。たくさん説明をしなくても、すぐに大変な状況をわかってもらえるのは、ワーキングマザーにとってとても働きやすい環境だと思いますね。
Q: 日本では東京、アメリカではニューヨークでの就労経験をお持ちですが、 働く環境という意味で、それぞれの良いところはどんなところでしょうか? 逆に改善されたら良いと思うことはありますか。
日本は社員同士のフォローが徹底している点がいいところだと思います。当たり前のことかもしれませんが、他の社員の机でなっている電話を取ることがあります。アメリカではありえません。日本では、当事者がいない間の仕事を助けてあげようとする文化があると思います。フォロー体制があるから、新卒が育ちやすい土壌になっているのではないでしょうか。
ただ、日本ではコミュニケーションが複雑で多様なので、業務や責任の所在が明確ではなかったり、メールのやりとりの中でも行間を読む、みたいなこともあり、効率的に業務をすることが大変なことがあります。何が重要で、相手に何を伝えたいのかがわかりにくくなってしまうんですよね。そしてミスコミュニケーションや長時間労働につながるのだと思います。
一方でアメリカの仕事文化の良い点は、無駄を徹底的に省くことでしょう。メールひとつにしろ、ポイントだけを的確に伝えます。いい意味でJob Descriptionに書かれてていることしかしないので、無駄もありません。しかしポジションに見合ったパフォーマンスを発揮できなければ、いつ解雇されるかわからないシビアな世界でもあります。
また、アメリカでは育てるという感覚はあまりありません。新卒から即戦力として働ける人材を採用するので、大学在籍中に多くの経験やスキルを得る必要があるのでプレッシャーも大きいです。日本のように親身に相談にのってくれる上司はそうそういません。